保険証券番号の読み取り機能の検証が進んでいます
国税庁は、保険料の控除証明書、住宅ローンの残高証明書、住宅申告書など、年末調整の証憑となる書類の電子化を進めています。
デジタル庁が発足し、ペーパレスが推進されることに異存ありません。100%のデジタル化は、業務効率を大きく改善するでしょう。
「企業の行政手続きコストを20%以上削減する」という政府の目標に合致した動きであるとして、当社は高くは評価しています。
しかしアナログとデジタルが混在する過渡期は、むしろ業務効率が低下することが懸念されます。
最大の要因は「重複」です。過渡期において従業員は、保険会社が発行する紙の証明書と、国税庁の年調ソフトで作成した電子証明書と、
電子証明書を印字したQRコード付証明書という、同じ保険の内容を証明する3種類の証明書を重複して提出することができてしまいます。
年末調整実務の経験者は誰でも知っている通り、現在においても、「証明書」と「お知らせ」という2種類の書類の重複を排除するのは、とても面倒な作業です。
本当に正確な申告データを作成するためには、「保険証券番号を読み取る」という工数をかけて、重複を排除するしかありません。
すべての保険会社が対応を完了し、電子証明書のみが従業員から提出されるようになるまでの間は、重複チェックが年末調整業務の新たな負荷となる可能性があるのです。
しかし、多くの保険証券番号は10桁以上の数字で、これを正確に読み取るのは、人間の目視と忍耐力ではほぼ不可能です。
そこで当社は、AIとOCR技術を活用して、紙の保険料控除証明書に記載されている「保険証券番号を読み取る」機能を、Mominokiに追加することにしました。
検証結果は良好で、数字であれば読取精度100%です。アルファベット混じりや半角カナ混じりとなると正確に読み取れないケースが出てきますが、
その部分を割り切って活用すれば、重複チェックに大きな効果を発揮するものと期待しています。
Mominokiは、控除証明書から保険証券番号を読み取ってお客様に納品することを、標準サービスとして提供します。
OCRが読み取った結果が100%正確であるということを証明することは不可能ですので、限りなく正確な参考値としてご利用いただきたく存じます。
2021年10月11日